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英語の早期教育について
小学生以下に英語を教えるべきか否かについて、さまざまな議論が
交わされていますが、これには反対です。
子どもの頃から英語に触れることで、確かにある程度は発音が良くなりますし、
日本人の苦手とする「r」「l」「th」の発音や聴き分けができるようになることもあります。
しかし、小学生が理解し、使うことのできる語学力は、中学生から始めたところで、
すぐ追いつける程度のものです。中学一年生から英語を勉強し始めた生徒と、二年もすれば
成績は変わらなくなるのは言うまでもありません。発音にしても同様です。
英語はいろんな国の人とコミュニケーションをとるための言葉です。コミュニケーションを
とるためには、筋道を立てた考え方やしっかりした自分の意見をもてるようにならなくてはなりません。
その土台となるのは、やはり国語、日本語です。知的能力、理解力、感性などを育み、バランスのとれた
語学力を身につけさせることが一番のように思います。国語はそれらすべての基礎です。
日本語を読み書き話す力が固まらないうちに外国語を学んでも、思考力の土台がぐらぐらしている
わけですから、身につくものも身につきません。「二兎追うものは一兎をも得ず」です。
子どもの時から英会話スクールに通っていたせいで、矯正不可能なほど滅茶苦茶な文法で英語を
話すようになってしまった人もいます。早ければいいというものではありません。
私のところにも、五歳から英語を習っていました、と言うお母さんに連れられた子どもが面接に
来ることがあります。英検やTOEICも受験させているようで、
「友だちの○○ちゃんも受験しているし、これだけ勉強しているんだから、うちの子にも受験させたいんです」
「四歳になる子どもに小さいうちから英語で話しかけて、英語に親しませたいんです。
それでまず自分がレッスンを受けようと…」
とびっくりするようなことをお願いされますが、親の代理競争のようなことに子どもたちが
巻き込まれては可哀想なので、はっきりお断りしています。
また、英検の受験会場に親の手に引かれながらやって来たり、マークの記入方法や注意事項を
理解できない子どもがいると聞きますが、英検の問題が解けるようになる前に、
子どもに教えておくべきことはいくらでもあります。
しかしそれでもなお、子どもが英語をやりたいというのなら、日本語が身につく
小学校五、六年生から始めるのがいいと思います。
短文をリスニングするのをすすめます。朝起きて、顔を洗う、歯を磨く、朝食を買いに行く、
学校に行く、ファストフードを買いに行く、公園に行く、自転車に乗る、水泳をするなど、
日常生活の簡単な英語を言えるようにするのです。何度か聴いて反復練習をします。
十一、二歳の一般的な子どもにとって、何を学んでいるのか理解しながら無理なく
習得できるのは、このくらいの基礎的な英語だと思います。
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