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英語は世界への入り口
英会話を習得したい人が挫折する理由は、会話ができないために、
極めて初歩的な内容から始めなくてはならないことです。
―Good evening.
―Good evening,sir. What's your name?
―Nakamura. My name is Nakamura.
―Oh,yes,Mr.Nakamura. Room 15. Here's your key.
―Thank you.
―You're welcome.
中学生くらいならともかく、大の大人が、カフェやレストランでの会話、
道を尋ねる、税関での会話の練習ばかりやっていては、早晩飽きてきますよね。
確かに海外旅行などでとっさの応答ができるようにはなりますが、
このくらいの会話だったら、英会話の本を買えば何とかなるのに、
と思ってしまいます。完璧主義は、日本人のシャイネスのせいでしょうか。
英会話の習得自体が目的という人もいてよいのでしょうが、英語を使って、
言葉の違う国の人と意見を交換し、文化の違いを理解し、幅広い視野を
もつようになってほしいというのが私の希望です。
私の授業でかなりのウェイトをしめているのが、「THE NEWS」(ノトス刊)というテキストです。
世界のあらゆる国のあらゆる分野のニュースを二十頁にまとめてある薄い冊子で、かなり重宝しています。
会話では初級のテキストを使用している生徒のレッスンにもこれを使います。
まず後ろについている内容解説(訳ではありません)を読ませ、興味のあるトピックを選ばせます。
それからその記事を「ながめ」てみます。難しい単語がいくつか目につくかもしれませんが、
意味のわからない単語すべてを辞書でひいてみると、嫌気がさしてくるので、
ある程度意味を推量しながら読みます。前もって目を通した内容解説の記事を思い出しながら
意味をつかんでいきます。
中級以上の力のある生徒には、まず記事の聴き取りをさせ、意味を尋ねます。
いろんな分野で働く生徒がいますが、金融関係の生徒には、ユーロ通貨について英語で質問し、
科学エンジニアにはNASAや珊瑚の白化現象のこと、お菓子を勉強していてワインに詳しい生徒には、
ボルドーワインのニュースを説明してもらいます。
私の知っている海外の文化や事情と合わせて、ディスカッションをしたりしながら、
日本の「酉の市」、「狂牛病」、「京都議定書」などについての知識を深めていきます。
詳しい訳と練習問題は宿題にして、レッスンではコミュニケーションの力を伸ばすように努めています。
友人知人と食事に行ったり、パーティーに出席して上司や知人と話す社交の場では、
仕事の話だけでなく、一般社会常識、テレビや新聞での関心事を話せることが、会話に広がりをもたらします。
教材の選択は難しいですが、あまりボリュームのないものがいいのではないでしょうか。
途中で投げ出してしまうより、やり終えた達成感を得られるくらいの分量のもので、
なおかつ知識欲をきちんと満たしてくれるものがベストです。
どんなに語学力をつけても、知識のないことについては話せません。
語学はあくまで道具、手段ですから、生徒の興味や知識を増やしてやること、
また興味をもったことがどういううふうに役立つのかを考えながら、レッスンをすすめています。
英語を学ぶことで、日本の状態を説明したり、海外の事情と比較して
意見を述べられるようになってほしいと思います。
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